痛みの治療におけるカウンセリング
痛みの治療において、どの心理療法を導入することが適切なのか?
世界中の慢性疼痛の臨床において、
認知行動療法が最も支持されている心理療法です。
認知行動療法は、慢性の痛みを抱えた方が、
破局的思考などの、自分自身がよりよい人生を生きることができない認知の歪みから脱するために
よりよい思考、行動、注意の向け方を練習するアプローチです。
「病状除去」の志向であり、悪しきものは排除する西洋医学的な考え方です。
諸富祥彦先生による、カウンセリングの全体見取り図(総合版)です。
諸富祥彦先生にはその著書を通して臨床心理全般、ヴィクトール・フランクル先生の
思想を大いに学ばせていただきました。
カウンセリングの全体見取り図
(総合版)
25年程前、整形外科の医局員であったころ、整形外科の医療モデルでは病態の説明がつかない、
いつまでの痛みが取れない患者さん、摩訶不思議な症状を訴える患者さん、
心理的な乱れが表出している患者さんに気づきました。
そのころ、私は、生きていることの息苦しさを強く感じ、
人間として、医師としての、自分の生き方を模索しており、
仕事を通して、患者さんとの対話を通して、生涯をかけて自分自身が成長したいと願いました。
慢性疼痛に対する、自身の「治療的自己(therapeutic self)」を生涯かけて磨きたいと願いました。
そして、臨床心理全般のうち、「自己成長論」の立場を選択し、
ヴィクトール・フランクル先生の弟子である永田勝太郎先生のもとで
ロゴセラピーの人間観、世界観、治療論を含めた、
全人医療(身体的、心理的、社会的、実存的医療モデル:BPS-Eモデル)よる
慢性疼痛の臨床を学ぶことを決意しました。
慢性疼痛診療ガイドライン作成ワーキンググループ編: 慢性疼痛診療ガイドライン F. 心理的アプローチ. 真興交易(株)医書出版部, 東京,pp116-125, 2021
諸富祥彦:カウンセリングの理論 下巻. 誠信書房, 東京, pp250-251, 2022
ジョン・G・ワトキンス著, John G. Watkins原名, 日本心療内科学会治療的自己評価基準作成委員会編:治療的自己-
永田勝太郎: 身体・心理・社会・実存医療モデルを基礎とした全人的医療. Comprehensive Medicine 1(1): 15-34, 1996
村山良介, 猪俣賢一郎, 永田勝太郎: 慢性疼痛-治療へのアプローチ. 医歯薬出版, 東京, 1992
池見酉次郎監、永田勝太郎編:バリント療法-全人的医療入門-. 医歯薬出版, 東京, 1990
