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後根神経節(DRG)と自律神経節の毛細血管

[2024.12.05]

ヒト胸部のDRGのHE染色の顕微鏡写真

 

図1 ヒト胸部のDRGの代表的なHE染色の顕微鏡写真

 

A: 結合組織の厚い保護層に囲まれ、その周辺に細胞体が優位に局在している。

B: リポフスジン(1)と顕著な核小体を持つ核(2)を含む感覚ニューロンの細胞体で、サテライトグリア細胞(3)に囲まれている。

神経線維の束(破線)は、神経節の中心部に多く存在する。HE染色法では、細胞体が収縮し、サテライトグリア細胞の層から切り離される。

C: CD163免疫組織化学顕微鏡写真とヘマトキシリンのカウンター染色により、DRGにおけるマクロファージ(矢印)の存在と分布を示す。

 

 

図2 ヒト胸部のDRGの高倍率のHE染色の顕微鏡写真

 

A: DRGの周辺部、厚い結合組織の近辺で、大きさの異なる多数の神経細胞体節が確認できる。

B: ヒトDRGにおけるさまざまな構造と細胞タイプを強調したHE写真の模式図

神経細胞(5)とサテライトグリア細胞(6)の間の結合組織層(1)、

線維芽細胞(2)、毛細血管(3)、基底膜(4)(6)、

偽単極性の突起(7)は特異な核小体(8)や、時には、リポフスジン(9)を含む顕著な核をもつ感覚ニューロンに由来する。

DRGの非神経細胞には、Tリンパ球(10)、マクロファージ(11)がある。

 

Haberberger RV, Barry C, Dominguez N, et al:  Human Dorsal Root Ganglia. Frontier in cellular Neuroscience 13: 1-17, 2019

 

DRGの毛細血管のタイプ

図3 神経節と神経毛細血管の形態学的特徴を模式的に表したもの

 

神経節毛細血管は、樹状突起の有無と、狭いタイトジャンクションの有無によって、神経毛細血管とは異なり、

神経内皮細胞は周辺細胞に囲まれている。

 

DRGは細胞体部に豊富な毛細血管床を有し、2つの内皮細胞間の高度の窓形成(穴あき)の特殊性は、低分子および高分子の化合物に対して透過性です。

細胞体領域とは対照的に、神経鞘に包まれた神経線維領域、すなわち末梢神経系(PNS)の硬膜連続体は、中枢神経系の血液-脳関門(BBB)に類似した血液-神経関門を示し、細胞間に多くのタイトジャンクションがあるため、不要な物質、薬物の通過を妨げています。

 

Gonçalves T C, Benoit E, Partiseti M, Servent D: The Nav 1.7 Channel Subtype as an Antinociceptive Target for Spider Toxins in Adult Dorsal Root Ganglia Neurons. Neurons. Front. Pharmacol 9: 1-21, 2018

 

この毛細血管の特性は、ヒトDRGに強固な血液供給を提供し、受容体、イオンチャネル、細胞骨格および輸送タンパク質の産生および輸送を維持するために、重要かつ必要な高エネルギー需要を持つ、長い突起(軸索、樹状突起)を有するニューロンにサービスを提供します。

 

Haberberger RV, Barry C, Dominguez N, et al:  Human Dorsal Root Ganglia. Frontier in cellular Neuroscience 13: 1-17, 2019

 

自律神経節の毛細血管のタイプ

交感神経節と腸管神経節の毛細血管のタイプは、感覚神経のDRGと類似しており、有窓性であり、大きな分子を自由に透過します。

 

Kiernan JA: Vascular Permeability in the Peripheral Autonomic and Somatic Nervous Systems: Controversial Aspects and Comparisons With the Blood-Brain Barrier. MICROSCOPY RESEARCH AND TECHNIQUE 35: 122-136, 1996

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