当院では、けがや身体の痛みやしびれを抱えた患者さんのを2つの目で見て治療を行います。

 

1つめの目は、整形外科医の目です。整形外科医の目では運動器(筋肉、関節、骨、神経)の

障害やけがを、整形外科の科学的根拠(エビデンス)に基づいて診断と治療を行います。

 

2つめの目は、心療内科医の目です。心療内科は本当は精神科ではありません。人間全体を

のことです。心身医療を行う内科のことです。そして永田勝太郎先生の方針に沿った

人的医療を取り入れています。とくに運動器の障害に潜む、線維筋痛症候群(FMS)、慢性疲

労症候(ME/CFS)などの機能性身体症候群(FSS)全人間としての苦しみなどを、さま

ざまな検査を行い、何度も医療面接を行って症状や健康状態の回復を図ります。

 

整形外科医療と全人的医療を合わせた人整形外科医療を行うことは当院の特徴です。

整形外科の症状に見える「あちこちの痛み」や「とれない痛み」をかかえた人が、「とれない疲労」

や「いろいろなからだの症状」を訴える場合があります。

 

このことは生命を守るシステムである、命を守る反応(アロスタシス)と命を守るバランス

(ホメオスタシス)がうまく働かないときに起きる症状です。

 

そして、その慢性の痛みと疲労がめだつ状態を身体的苦悩症候群(bodily distress syndro

me: BDSと名付けた方がいました。

 

BDSには、線維筋痛症候群(FMS)慢性疲労症候群(ME/CFS)などの機能性身体症候

(FSS)が含まれます。線維筋痛症候群や慢性疲労症候群も命を守る反応(アロスタシス)

命を守るバランス(ホメオスタシス)がうまく働かないために起きる病気です。やはり、低血

圧、低血糖、酸化ストレス、低栄養が潜んでいることを多く見ます。時に、交通事故による強

ストレスを浴びた後に発症することがあります。

 

さらにBDSには、何らかのウィルス感染の後

に、全身におもりを乗せられたような重だるい身体の症状や、思考力が低下したり、物忘れが

ひどかったり、音や光に過敏になったり、体中の痛みが起きることがあります。この病気を

痛性脳脊髄炎(ME)と言ったり、感染後の筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群ME/CFS)

言うことがあります。

 

BDSには、運動器の障害と合わせて命を守る反応(アロスタシス)と命を守るバランス(ホ

スタシス)がうまく働かず身体因性偽神経症(身体のせいでこころが乱れる)を合併してい

る方がいます。こころが乱れると何でもかんでも心のせい、環境のストレスのせいにされてし

まいますが、実は身体の不調のせいで現れたこころの症状です。特に良く身体因性偽神経症の

原因は、やはり低血圧、低血糖、酸化ストレス、低栄養の人が多いようです。

あちこちの痛み、とれない痛み、とれない疲労、いろいろなからだの症状は、命を守る反応

(アロスタシス)と命を守るバランス(ホメオスタシス)がうまく働かないせいで起きます。

当院では、命を守る反応(アロスタシス)と命を守るバランス(ホメオスタシス)がうまく

働かないことをを引き起こしているもののうち、図に示している1から5の項目を検査して

その結果でその項目が改善するような治療を行います。そして、あちこちの痛み、とれない

痛み、とれない疲労、いろいろなからだの症状が改善することを目指します。永田勝太郎先

が慢性疼痛に対する長年の臨床経験と研究から導きだし絞った項目です。

具体的な治療法は、図のようです。統一された医療モデル(治療に対する考え方)がなく、何で

もかんでも集めて治療する統合医療的(ごった煮医療や異文化交流)な考え方ではありません。

 

永田勝太郎先生が提唱した全人医療モデル(身体的・心理的・社会的・実存的医療モデル)とい

える考え方があり、その医療モデルに沿い、全人的医療を熟知している医師が適切に組み合わせ

て治療を展開します。最も大切なことは、図のようないろいろな治療手段を通して命を守る反

(アロスタシス)と命を守るバランス(ホメオスタシス)がうまく働かないことに対する治療を

行いながら、スタッフたちによるそれぞれの役割を通して患者さんを癒せる人格(治的自己)

の影響を最も重視します。人には人の良い影響が最も大切だと考えます。ただ私たちはまだ十分

な治療的自己を持ち得ていません。生涯続けなければならないものです。当院のどの職種のスタッ

フも治療的自己の成長を意識して、今までのキャリアや経験を度外視して謙虚に研鑽しています。

もし至らない場合は今後の成長に期待していただければ幸いです。

 

また患者さんを全人的な視点で見ることを強く意識しています。つまり障害をかかえた人全体とし

て、からだの不調(身体的問題)、こころの乱れ(心理的問題)、環境のつらさ(社会的題)

やりがいの無さ(実存的問題)から見つめます。そして、例えからだの不調やこころの乱れ、環

境のつらさがあったとしても人間としての調和がとれた状態(相対的健康)を一緒に協力してめ

ざします。