当院の治療方針

当院の治療方針は、

 

世界中の偉大な先人たちの教えを基に、永田勝太郎先生が確立した、

全人的医療モデル『身体(からだ)・心理(こころ)・社会(環境)・実存的(やりがい)医療モデル』

整形外科医療とリハビリテーションの医療モデルを組み込んで解釈したものです。

 

全人的整形外科医療は、患者さんに対して、いつ、いかなる場合でも、病や障害を持った人として見るために、いつ、いかなる場合でも、2つの視点を持ちます。

 

一つ目の視点は、身体全体的のしくみを、どのような病気や障害があったとしても、ホメオスタシス(恒常性)の状態を中心に据えます。

 

そして、ホメオスタシスが乱れが、

病気の前の状態(機能的病態)⇒ 病気(器質的病態)⇒ 致死的病態(死ぬ間際の状態)⇒ 、につながると認識します。

 

2つ目の視点は、ホメオスタシスを乱す要因として、一人一人の個別的な、身体的問題、心理的問題、社会的題、実存的問題があると考えます。

整形外科的疾患や障害は、身体的問題の1つの要因としてのみ、位置づけます。

 

ホメオスタシスの乱れを回復させる要因としては、一人一人の個別的な、身体的資源、心理的資源、社会的資源、実存的資源があると考えます。

 

そして、その資源を活用(治療)することにより、ホメオスタシスの乱れを回復させより健康(絶対的、相対的)な方向を目指して行くことが、全人的整形外科医療を目的です。

 

 

そして、全人的整形外科医療を実現できる場は、地域における整形外科開業医がふさわしいと考えます。

 

4つの治療目標

当院は整形外科分野の症状を訴える患者さんに対して、全人的医療の視点を導入することにより

 

 1,全人的な痛みを軽くする

 2,夢、希望、楽しみ、やりがいを応援する

 3,未病を治し、命を守る

 4,相対的健康を生成する

 

という4つを治療目標にしています。

 

整形外科を訪れる患者さんの症状を、専門病院へ紹介すべき身体の器質的疾患(手術や入院治療を要する)や、身体の症状に潜んでいる精神疾患(うつ病、神経症など)かどうかを診断し、専門医に紹介した後に、整形外科領域の症状を全人的医療の視点で見ることにより、4つの治療目標を実現します。

 

 

1,全人的な痛みを軽くする

整形外科領域の痛み(部分のからだ)などの症状は、全人間的(全身・こころ・環境・やりがい)な苦しみの一部の症状や疾患と位置づけ、診断し、いろいろな方法で治療を施すと同時に、向かいあった一人の人として相談にのります。

 

外傷や障害を受けた方は、障害を受けた身体だけではなく、強いストレスにより、全体の身体の状態(筋骨格系、全身系の機能的状態)にも悪い影響を与えます。また、こころ(心理的)も、落ち込んだり、悲しんだり、傷ついたり、焦ったりします。また、受けた障害が、仕事や学校生活、家庭生活、スポーツなどの環境(社会的)に中で困った影響を与えることもあります。そして、受けた障害のせいで、自身の楽しみややりがい(生の欲求、実存)を脅かされることがあります。

 

私たちは、外傷や障害を見るのではなく、外傷や障害を受けた人として見る、全人的医療の視点を持ち、患者さん固有の問題を解決していきたいと思います。

 

 

整形外科疾患と間違えられ、見逃しが多く、治療法が難しい、筋痛性脳症(筋痛性脳脊髄炎)/慢性疲労症候群(ME/CFS)線維筋痛症(FMS)慢性広範痛(CWP)などの機能性身体症候群(FSS)を診断し、永田勝太郎先生が確立した、あらゆる方法(統合的治療法)を全人的医療の大きな流れ(ホメオスタシスの改善、身体・心理・社会・実存的医療モデル、あらゆる資源の有効活用)に乗せたチーム医療を行います。

 

抗うつ薬(サインバルタなど)抗てんかん薬(リリカなど)ベンゾジアゼピン系の抗不安薬や睡眠薬などの抗精神病薬や、麻薬系の鎮痛剤(トラムセット、トラマールなど)は原因治療では無く、強引に中枢神経でコントロールする対処療法であり、薬物による依存性や、痛み以外の心身状態の悪化、血行動態低下、酸化、糖化の促進などの副作用や、時に、離脱症状が過酷なため、極力使用しません

 

治療は、根本的治療である、ホメオスタシスの回復(特に血行動態の回復、糖化の改善、酸化の改善)と相対的健康が目標であり、痛みは、治すもの(取り除く)ではなく、癒し続けるもの(痛みを軽く感じる体調を目指し続ける)であり、従え続けるもの(痛みがありながらでも、自分の人生を生きる方向を目指し続ける)であるため、紆余曲折があろうとも、根気よく続ける必要があります。

 

ご自分の症状の改善を、一方的に医療者に依存せず、自立した心で、医療者と良き関係を保ち、対等な協力関係で成し遂げようとする意志が必要です。


2,夢、希望、楽しみ、やりがいを応援する

スポーツ選手、スポーツ愛好者、いつまでも続けたい仕事を持つ方々、いろいろな趣味(畑仕事、釣り、山登り、旅行など)を持つ方々を応援するために診断、治療して、リハビリテーションで機能回復させ、トレーニング等で強化し、時にスポーツチームに帯同します。

 

スポーツ選手やスポーツ愛好者は、小学生であれ、中学生であれ、高校生であれ、大学生であれ、社会人であれ、子供を持つ親であれ、それぞれの人たち固有の、立ち向かう目標、競技に対する思い、仲間との交流、将来のなりたい自分、などたくさんの希望(生の欲求、実存)があります。しかし、いつも順風満帆ではありません。骨折や靱帯損傷などの外傷疲労骨折、筋や腱の炎症などの障害などで、それらを中断しなければならない時があります。

 

私たちは、競技への思いを断ち切るのではなく、寄り添い、応援し、願いを叶えるため、ぎりぎりの判断を行いつつ、時に、冒険し、それでも、決して将来の生活のハンディにならないよう配慮していこうと決意しています。当院では保存的治療を行いますが、手術は希望を与える治療として位置づけ、保存的治療の限界に達しても、優秀な専門医の先生に手術をお願いしています。術後は、主に、当院でリハビリテーションを行い、希望(生の欲求、実存)を支援します。

 

畑仕事が大好きで、大自然に触れ、採れた物を食べてもらうことを生きがいにしている方々がいます。釣りに行き、海や川の自然とふれあい、釣れた魚で仲間と語り合い、一時の至高の時を過ごす方々かいます。山に登り、澄み切った空気の中で、自然に生かされている自身を感じながら、楽しんでいる方々がいます。旅行に行き、それぞれの土地の自然や人に触れることを楽しみにしている方々がいます。そのほか、それぞれの方々の固有の楽しみやりがい(生の欲求、実存)があります。

 

変形性膝関節症変形性股関節症、腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症による変形や骨折などはこの方々の、固有の楽しみやりがい(生きる欲求、実存)を脅かしてしまいます。私たちはその思いを断ち切るのではなく、寄り添い、応援し、願いを叶えるために適切な治療を選択し、実行していきます。現代は、医療が発達しています。決して絶望することはありません。当院では保存的治療を徹底して行い、手術は希望を与える治療として位置づけ、保存的治療の限界に達しても、優秀な専門医の先生に手術をお願いし、術後は、主に、当院でリハビリテーションを行い、楽しみやりがい(生の欲求、実存)実現を目指します。


3,未病を治し、命を守る

肩こり、腰痛、五十肩などを、疲労、ストレス病の機能性病態(未病、病気が発症する前の状態)と診断し、体を壊し、死に向かう方向を、いろいろな方法で、治療し、一緒に協力して寿命が長らえる生活習慣や考えへ修正していきます。

 

肩こり、腰痛、五十肩などの症状を訴える方々を、全人的医療の視点で見ると、からだ(身体的)の問題では、疲労困憊の表情、顔色の悪さが見られ、筋骨格系以外の症状(休んでも取れない疲労、不眠、あちこちの痛み、頭痛、胃腸障害、排尿、排便障害、冷え、ほてりなど)を認めます。このことは、機能的病態(未病、病気が発症する前の状態)であり、このままでは、脳血管障害、心血管障害、悪性腫瘍、関節リウマチや膠原病などの質的疾患病気)が発症してしまいます

 

このような方々に、調子の悪さ(機能性病態、未病)の検査法である、血行動態検査、持続的血糖測定、酸化・抗酸化の測定、不眠や疲労度のテスト、時に東洋医学的診察を行い、その程度を計り、結果に応じて、漢方薬、適切なサプリメント、鍼灸治療、マッサージ、酸化療法(準備中)、栄養のアドバイス、生活のアドバイス、時に心理療法を行い、病気(器質的疾患)から死ぬ間際(致死的病態)への道ではなく、健康な方向へ転換するための支援をいたします。

 


4,相対的健康を生成する

機能的病態、器質的疾患、致死的病態の方の痛みや苦しみに寄り添い、その方のたくさんの身体的な資源(健康な部分の身体、不自由ではない身体)、心理的な資源(考えた方の修正、生きる欲求の活用)、社会的な資源(家族、友人、地域社会など)、実存的な資源(生きる意味、やりがい)に気づき、利用し、総合的に整った状態、相対的健康、生きている喜びを一緒に生み出していきます。

 

重症の機能的病態の疾患で、強い、全身の痛みが残り、慢性に続いている方、様々な器質的疾患(病気)を抱えている方、時に、死ぬ間際の状態(致死的病態)の方、ご高齢の方が受診されます。

 

相対的健康とは、どの状態であっても、残された身体機能(身体的資源)への気づき、自分自身を支え、変わることのできるこころ(心理的資源)への気づき、自分自身の周囲の、存在してくれる家族、友人、医療・福祉施設のスタッフ、学校関係者など、豊かな自然、音楽や美術などの芸術(社会的資源)への気づき、どのような状態でも、自由と責任における自己決定による生き方(実存的資源)への気づきにより、より全体的に整った状態「総合点で合格」「それでも生きて良かった」を獲得することを目指して行きます。

 

これらのことは、

私たちの治療的自我(接することで皆さんを健康できる人格)、クリニック全体の醸し出す雰囲気、クリニックに備えてある物、皆さんのお人柄、皆さんと私たちの交流の中で、自然発生的に生まれることを目標にしています。


バリント流開業医療

ロンドン大学のマイケル・バリントが提唱する開業医療は、専門医療のはざまで全人間的な痛みや苦しみを人知れず抱えている地域の人たちに、救いの手を差しのべる医療です。そして、開業医療こそ全人的医療の場と言い切ります。

 

 

マイケル・バリント(1896~1970)

開業医療は、小さな専門病院では決してなく、地域の方々の全人的な痛みや症状のすべてに相談にのり、専門医医療の手術治療および入院治療以外の保存的治療を専門分野の決まりきった治療法にこだわることなく、患者さんに役に立つと考えられるありとあらゆる治療法、ありとあらゆる救いの手を差し伸べる医療です。

 

また、専門医療施設を開業医の有能なアシスタントと位置づけ、必要なときは信頼できる専門医療施設、信頼できる専門医に紹介し、専門医療を施された後、再度、地域の方々の全人間的な痛みや症状に対して向かい合います。地域ぐるみ、家族ぐるみで、長い間お付き合いをしているため、皆さんの、健康状態の変化、ご家族の構成、お子さんの成長、性格や人格、お付き合いの様子、仕事内容、地域の行事など、身体、心理、社会、実存的情報がよくわかり、説明だけによって起こる、医療従事者の思い込みによる歪んだ解釈が少なくなります。そのことは全人的医療の実践の利点となります。

全人的医療について

モデル(共同幻想、パラダイム、思い込み)とは、患者さんを見て、脳に映し出し、認識するパターンのことを言います。モデルが無ければ科学は育たないと言われています。

 

病を持った人として見る医療モデル(新しいパラダイム)である、全人的医療モデルは、永田勝太郎先生が、身体・心理・社会・健康モデルを提唱したWHO名誉教授でニューヨーク大学のステーシー・デイ教授、日本の心身医学の創始者であり元九州大学心療内科教授で身体・心理・社会・生命倫理という初期の全人的医療モデルや西洋医学と東洋医学との癒合を提唱した池見酉次郎先生、実存療法(ロゴセラピー)を確立し、世界のベストセラーの「夜と霧」の著者であるウィーン大学のビクトール・フランクル博士たち多くの偉大な先人に師事し、その他の多くの医療研究者の英知を1つにまとめ上げ、身体(からだ)・心理(こころ)・社会(環境)・実存(生きがい)の医療モデルとして確立した医療モデルです。

永田勝太郎

永田勝太郎:WHO(世界保健機関)心身医学・精神薬理学 教授:リヒテンシュタイン国際学術大学院大学 ビクトール・フランクル講座 名誉教授:公益財団法人 国際全人医療研究所 代表理事:日本実存療法学会理事長、日本疼痛心身医学会理事長、国際全人的医療学会理事長


全人的医療(whole-person medicine)という言葉は、マイケル・バリントが1961年発行の著書の中で、今後、発展させなければならない医療として述べました。

1980年代、九州大学心療内科教授であった池見酉次郎先生は全人的医療はの医療モデル(パラダイム)を提唱しました。

 

 

 

池見酉次郎

池見酉次郎(19151999

 

心身医学の基本的医療モデルは身心(心身)一如でした。心身一如という表現と、身心一如という表現がありますが、池見先生は身心一如という言葉を好んで使っていました。しかし、後年、先生は心身医学を全人的医療に転換しなくてはならないと考え、身心一如(池見モデル)からWHO名誉教授でニューヨーク大学のステーシー・デイ教授によって提唱された身体・心理・社会的 健康モデルへ転換しました。それは精神科医であるジョージ・エンゲル先生によって医療モデルへと応用されました。しかし、池見先生は、それでは不十分と考え、身体・心理・社会・生命倫理 医療モデルを提唱しました。

 

 

ビクトール・フランクル(19051997

 

 

 

 

 

私は17年前に永田勝太郎先生が提唱する進化した全人的医療を知り。培った整形外科医療のパラダイムから全人的医療のパラダイムシフト(パラダイムの大転換)に挑戦し、15年前に、医師1年生に戻る覚悟で、永田勝太郎先生からの直接のご指導に臨み、現在に至っています。

当院は、職種にかかわらず全スタッフが来院する患者さんを常に、1人の人間(身体・心理・社会・実存的存在)として見つめ、全人的(身体・心理・社会・実存的問題)な視点から診断、評価を行い、それぞれの職種を通して、痛みや苦しみに対する全人的治療(身体的・心理的・社会的・実存的資源に対するアプローチ)をチームとして全員で行います。

 

永田勝太郎先生と(日本疼痛心身医学会にて)

 

 

 


全人的整形外科医療における問題(problem)の評価

 

身体的問題

全身系

器質的病態:体の痛みの原因となる、整形外科以外の疾患

関節リウマチ、膠原病、甲状腺疾患、悪性疾患など

 

機能性病態(全体の病態の中心、ホメオスタシスの乱れ)

体の痛みの要因となる機能性身体症候群、血行動態不良症候群、

低血圧、低血糖、血糖値スパイク、酸化、副腎機能低下、

低栄養(低たんぱく、低フェリチン血症、ビタミン不足、微量元素不足)

リーキーガット症候群 など

 

運動器系

器質的病態:骨折、脱臼、捻挫、打撲などの外傷、スポーツ障害、脊椎疾患、

変形性膝関節症などの変性疾患などの整形外科疾患

 

機能的病態:リハビリテーション的評価:

心身機能・構造障害(impairment)および活動制限(activity limitation)の評価

運動バランスの乱れ、筋力低下、日常生活動作の困難さ等


 

心理的問題

感情、気分、認知(考え方の癖)、行動

とらわれ(精神交互作用、思想の矛盾)

 

社会的問題

家庭、職場、友人、地域等の状況

 

実存的問題

やりがい、生きる意味、世界観、人生観

 

 

 


全人的整形外科医療における検査法

 

全人的医療検査法

身体、心理、社会、実存的問題の検査(CHCW・SOC検査:特殊な検査)

 

整形外科的検査法

各部位レントゲン検査、超音波検査、DEXA(骨塩定量)

MRI検査(他院に依頼)、CT検査(他院に依頼)

各種血液検査

各疾患・身体検査

神経学的検査

 

リハビリテーション的検査法

FIM等、各種身体機能評価検査

 

東洋医学的診察法

 

心身医学的検査法

ヘッドアップティルト測定(体位変換による血行動態検査)

持続的一日血糖値測定

酸化バランス防御系の測定(準備中)

胸部レントゲン検査

ストレスホルモンの検査

ACTH、DHEA-S、コルチゾール、カテコールアミン3分画

各種心理テスト

 

 

 


全人的整形外科医療における治療法

 

当院は、治療の基盤となる2つの柱と、実際の2つの治療法があります。

 

 

治療の基盤となる2つの柱

 

1つは、各スタッフの治療的自我(医師という薬)を育てること

 

2つ目は、真のチーム医療を発揮すること。

 

です。

 

 

1、治療的自我(therapeutic self;Watkins提唱、患者さんを健康にできる人格)

 

治療的自我を向上させていくには、次の条件を満たす必要があります。

 

① 患者さんを、いつ、いかなる場合での、病や調子が悪くなった人としての視点を持つ覚悟をすること。

 

② 人と視点をもつために、いままでの内部モデルを全人的整形外科医療モデルにunlearning(学びほぐし)、専門性含めて、relearning(再学習)すること。

 

③ 患者さんの治療に対して良いと思われる、治療法は、こだわりなく、何でも取り入れる柔軟性をもち、その技術や知識を身に着け続けること。

 

 

当院では、全人的整形外科医療に基づく治療的自我を育てるために、

定期的にバリントグループワークを行っています。

 

治療的自我が成熟した、医療スタッフは、常に、自分自身を、高める態度があり、自分自身のキャリアや資格にこだわることなく、

患者さんに、救いの手を差し伸べるために、知識、技術、態度を研鑽し続けます。

 

 

2、真のチーム医療

 

真のチーム医療を実現するには、次の条件を満たす必要があります。

 

① 1人の患者さんを、1つの医療モデル(全人的医療モデル)で、

 

② 1人の患者さんを、チーム(1つの組織)で、1つの組織パラダイムで、

 

③ 同じ価値を共有し、

 

④ 同じ目標を達成するために、

 

⑤ 自分の専門性に限定することなく、常に、自分自身をunlearning(学びほぐし)、relearning(再学習)を繰り返していく。

 

 

当院では、真のチーム医療の実現のために、

 

それぞれの組織と自分に対する認識と態度を客観的に評価する、第3者の専門家(組織コンサルト)による、全スタッフへの指導を導入し、講習、トレーニングを行っています。

 

1つの組織パラダイムで統一された組織には、職種間の意地の張り合いは、社会マナーの欠如した態度が存在せず、大切な患者さんに発揮する各自のエネルギーをスタッフ間で消耗させることなく、各スタッフの治療的自我の癒合をスムーズに行い、チームの力を最大限発揮します。

 

そして、社会的成熟した方同士の、組織は、一部のグループだけではなく、全体が、互いを尊敬、尊重しあう、大人同士の良い関係となり、居心地の良い組織になります。

 

実際の2つの治療法

 

1つは、疾患を直接に、治したり、取り除いたり、身体エネルギーを使用して機能アップする、瀉法

 

2つめは、身体に不足しているものを補い、身体機能を改善し、身体活動のエネルギーを与える、補法

 

 

瀉法

整形外科保存的治療(薬物治療、処置等)、ペインクリニック的治療、漢方治療(瀉薬)、

鍼灸マッサージ治療(瀉法)、フットケア、運動器リハビリテーション、筋力・機能回復トレーニング

 

補法

治療的自我、医師という薬

栄養療法、サプリメント、漢方治療(補薬)、鍼灸マッサージ(補法)、心理療法、

全身リンパマッサージ(美容系)、多彩な治療法(統合的医療的)のそれぞれの利点を生かします。

 

 

治療的自我の未熟と、1つの組織パラダイムの統一のなさが引き起こすこと

 

いろいろな職種、いろいろな知識、技術を持った方々が、ただ集まって、それぞれの内部モデル、

それぞれの尺度から1人の患者さんを見ることは、いわばごった煮医療といえます。

 

それぞれの内部モデル(パラダイム、思い込み)によって、それぞれが我こそはと主張するために、

患者さんそっちのけ自己主張、自己保身のチームになり、権威やキャリアを振りかざす人、

人数のたくさんいる部署、声の大きな人の支配の、それぞれが融合しない支配か対立の集団

なりがちです。

 

また、多くの医療スタッフが関与していることは、それ自体が、組織です。

自分の所属する組織に対する、内部モデル(尺度、錯覚)による、組織人としての、

立ち位置の錯覚(勘違い)自分のみの経験と偏った尺度による錯覚(勘違い

社会人マナーの欠如はチーム医療の実現を遠くします。

 


全人的整形外科医療における資源(resource)の評価

 

身体的資源

全身系

器質的病態:専門的治療を施す、整形外科以外の他院・専門医の存在

 

機能性病態:低栄養、血行動態不良症候群、低血圧、低血糖、酸化、副腎機能低下、

に対する対処

機能を回復させる、鍼灸按摩マッサージ師、

エステティシャン、栄養指導、漢方治療を行う医師の存在

酸化療法(血液クレンジング、血液フォトセラピー)(準備中)

 

運動器系

器質的病態:整形外科的保存的治療を施す医師

手術療法、入院治療ができる他院・専門病院の存在

 

機能的病態:機能を回復させることのできる理学療法士の存在

運動器リハビリテーション

残された身体的機能

 

心理的資源

感情、気分、認知(考え方の癖)、行動、欲求(エネルギーの使い方)について内省できる

自己違和感、葛藤の存在、生の欲求、治療意欲

 

社会的資源

 

本人を支えてくれる家庭、職場、友人、地域等

治療的自我を発揮し、社会的資源として患者さんを支えようとする

当院スタッフの存在

 

実存的資源

 

やりがい、生きる意味、生きる信念を生かす

実存的変容を促す当院スタッフの存在

 

 

全スタッフがそれぞれの職種を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

医師の場合はマイケル・バリントの云う医師という薬を発揮します。

 

 

 


社会的資源としての医師・医療スタッフ

医師

全人的整形外科医療を熟知し、リーダーシップを発揮し、チーム医療を実現します。

 

全人的医療の診断・治療を通して、自身が持つ医師という薬を発揮します。

 

整形外科的治療:整形外科全分野の保存的治療を行います

ペインクリニック的治療:神経ブロック、エコー下の各種注射を行います

漢方治療:張明澄流・古典中医学による痛みの漢方治療を保険診療の範囲で行っています

心身医学的治療:機能性身体症状を改善する、薬剤の投与、生活スタイルの改善指導、

適切なサプリメント投与、食事療法、各種心理療法(実存療法、森田療法など)

 

鍼灸師:NLP認定者1名

鍼灸、マッサージ治療を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

看護師

整形外科看護業務を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

理学療法士:NLP認定者1名

運動器リハビリテーションを通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

臨床放射線技師

レントゲン検査を通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

診療支援・おもてなしスタッフ:NLP認定者1名

受付、診療アシスト、リハビリアシスト、筋力、機能回復トレーニング指導、

通所リハビリテーションを通して、自身が持つ治療的自我を発揮します

 

エスティシャン:エンビロン上級ディプロマ資格者

女性に対して、リンパマッサージ(術後、疾患を除く)とエンビロンスキンケアを通して、

自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

フスフレーガー:ドイツ・フスフレーガー認定者

フットケアを通して、自身が持つ治療的自我を発揮します。

 

読書療法(ブリーフセラピー)

院内には、院長セレクションの身体、心理、社会、実存的問題を乗り越えるための書籍

が多数用意されています。

診察時に、適切な書籍をお勧めし、貸出すこともあります。

 

 

 


健康と健康生成論(saltogenesis)

 

人は絶対的健康から死へ向かう存在です。そして、

 

1、絶対的健康

⇒2、機能性病態

   (病気まで至らない身体の不調 未病)

⇒3、器質的病態(病気)

⇒4、致死的病態(死のまぎわの状態)

⇒5、

 

この順番で死に至ります。

 

健康とは、WHO(世界保健機構)の定義が以下のように端的に表しています。

〝Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual, social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、単に病気がないとか、調子が悪いとかではなく、身体的にも、心理的にも、霊的(実存的)にも、そして社会的にも、人生の連続性の中で、どのステージでも総合的に整った状態である〟

 

アーロン・アントノフスキー(1923-1994)

 

イスラエルの健康社会学者アーロン・アントノフスキーはアウシュビッツの強制収容所に捉えられ生き延びたユダヤ人の方々の研究から、どんな困難な境遇であっても、乗り切ることのできた人たちは、ストレス対処能力であるSOC (sense of coherence : 首尾一貫感)が高いと報告しました。また、人生のどのステージ(機能的病態、器質的疾患、致死的病態)においても、さまざまなストレスに対して、SOC (sense of coherence : 首尾一貫感)を発揮し、総合的に整った状態であれば、健康(相対的健康)は獲得できるという健康生成論(saltogenesis:サルトジェネシス)を提唱しました。

 

SOC (sense of coherence : 首尾一貫感)には以下の3つの要素があると言います。

 

1,Comprehensibility (把握可能感、わかる)

2,Manageability (対処可能感、できる)

3,Meaningfulness (有意味感、意味がある)

 

 

SOC (sense of coherence : 首尾一貫感)の高い人は、強いストレスな状況に出会ったときでも、出来事や自分の変化を、客観的に、冷静に起きたことを理解する力があり(わかる)、そのことに対して、自分の持つさまざまな対処資源(身体的、心理的、社会的)を利用して乗り越えていく力があり(できる)、そして、乗り越えるための、人生の意味を持って生きている(意味がある)と述べています。

 

 

 

医療モデルについて

人は、見たこと、聞いたこと、触ったことなどを感知して、脳の中の、自分自身にある、内部モデル(地図、パラダイム、思い込み)で解釈します。ですから、同じものを見ても、聞いても、体験しても、どのように認識するかは、その人の内部モデル次第です。脳の中にあるバーチャルな世界、それが内部モデルです。

 

脳の中に、内部モデルを作るという能力は、現代を生きている私たちにとって、重要な能力です。

 

内部モデルを作るということは、脳をいう個人レベルにおける情報処理の問題のみならず、集団における情報の共有、ネットワーク化という問題に関わることであり、私たちが、なぜ、共同体をつくり得るのかといった問題にも深く関わっています。

 

内部モデルは共同幻想(共通の思い込み)であり、共通の世界観です。人間は、そうした共通の内部モデルを本質的に求める生き物です。

 

人間は、内部モデルやルールを共有することで、厳しい環境を生き抜こうとします。共同幻想が生まれる理由です。

 

共同幻想の最たるものは、宗教です。宗教を信じることにより、人が生きるための合理的な行動を選び、生き残ってきました。日本人は、日本人らしさがあります。それは、共有している内部モデルが日本人らしさを醸し出し、日本人は日本人らしさによって生き残ってきたと云えます。

 

現代医療は、自然科学を内部モデル(共同幻想、パラダイム、思い込み)にすることにより、発展してきました。

 

自然科学とは、自然を科学のルールに基づいて、自分の脳に映し出すことです。

科学のルールには2つあり、1つは、考える対象のみのことを考えて、考えようとする自分のことは考えなくても良いという、二元論の立場をとること。2つ目は、何かを考えるときに、その対象を、より細かく分けて、領域をせばめて考えようとする要素還元主義です。

 

医療者、特に医師は、自然科学を内部モデルにした現代医学においては、自分自身を問題にすることはなく、病を持った人を、臓器や物質のレベルまで、細かく分けて、それぞれが専門性を持ち、その分野の病(器質的病態)を深く追求し、深く理解し、その知恵を、病の治癒という目的に還元してきました。科学のルールに基づいて、病を解き明かし、病を治癒させるプロフェッショナルが科学者である医師です。

 

しかし、近年、そうした科学のルールでは、その現象の本質が理解できないことが明らかになってきました。それは、従来の、基本的な科学の考え方に限界が見えていることを意味します。

 

その1つ目は、考える対象は、考えている自分の影響を受けるということ。2つ目は、要素還元主義により、細かく分けて考えたため、対象を拡げて、人間の問題を解くためには有効ではないことです。

 

人間を理解するということは、人間の構成要素間の関係性に起因する問題を理解することです。しかし、要素還元主義的な思考では、この問題は解けません。それは、人間がシステムで、構成要素間の複雑な関係性の結果として、その動的平衡状態が決まるからです。

 

そこで、複雑系という科学の見かたがでてきました。複雑系とは、要素を明らかにしても、その全体の挙動は分からないということです。

 

人間全体を見る医療モデルである、全人的医療モデル(身体・心理・社会・実存的医療モデル)は、病を持った人を、複雑系であり、医療者の影響により結果が左右し、要素還元主義的な思考では理解困難であるという前提で、確立されたシステム論的医療モデル(共同幻想、パラダイム、思い込み)です。

 

アーロン・アントノフスキーが提唱した、健康生成論においては、科学のルールに基づいた自然科学的追求をpathogenesis(病因追求論)全人的医療モデルによる追求をsaltogenesis(健康追求論)と言えます。

 

全人的医療を目指す医療者は、科学のルールに基づいた自然科学的追求(pathogenesis)と、人間を複雑系として捉えたシステム論的医療モデルである全人的医療モデルによる追求(saltogenesis)の2つの内部モデルを変幻自在に駆使する、自身の思考と感情のメタ認知と、思考の柔軟さが必要となります。

 

昨今、整形外科、ペインクリニックの分野においても、心身医学の医療モデル(全人的医療モデルの前身)である、身体・心理・社会的医療モデルの導入が試みられていますが、身体(整形外科領域)と心理(心因性、脳科学)の心身2元論の域をでておらず、心身医療を導入したとは言いがたく、内部モデルをunlearning(学びほぐし)し、再度、新たな医療モデルをrelearning(再学習)するプロセスが抜けています。

 

慢性疼痛などの機能性の病態に対する見方は、心因性、中枢神経の機能不全となり、心理還元主義脳還元主義となります。そして、医療モデルのパラダイムシフトのない治療は、必然、認知の歪みを変容させる、認知行動療法や、抗うつ薬、抗てんかん薬、麻薬系の鎮痛剤の投与となります。

 

整形外科分野、ペインクリニック分野の医療者は、自身の内部モデルの吟味が必要であると考えます。

 

 

松井孝典著 「我関わる、ゆえに我あり―地球システム論と文明」を参照

 

 

 

 

 


ホメオスタシス(恒常性)

ホメオスタシスとは、人間などの動物が、身体の外や、自分の中の有害な状況から、自分自身を、守ろうとする仕組みのことです。ホメオスタシスは複雑の絡み合った仕組みで、あえて分けると、神経系(脳、自律神経系)、内分泌系(さまざまなホルモン)、免疫系酸化バランス防御系分子遺伝系筋骨格系が挙げられます。

永田勝太郎先生は、ホメオスタシスの乱れが、顕在化する指標として、血行動態糖化酸化の3つを特に重要視しています。

 

人間に、有害な状況(ストレス)に置かれ限度を超えたときに、ホメオスタシスが乱れ、検査でははっきり断定できませんが、それぞれの系の多彩な症状(機能性病態)が出現します。そして、ホメオスタシスが破綻したときに検査ではっきりと診断できる病気(器質的病態)に至ります。

整形外科領域では、長く続き、繰り返す、肩こり、腰痛、神経痛、五十肩などは、器質的病態が一部を占めるものの、ホメオスタシスのうち筋骨格系の機能的病態と解釈し、他のホメオスタシスの乱れも存在すると推察できます。



ストレス理論(汎適応症候群)

ハンガリー系カナダ人のハンス・セリエが唱えた学説で、古典的な学説ですが、現代でも、ストレスによる身体の反応の全体像と捉えるのに優れた理論です。

ハンス・セリエ

ハンス・セリエ(1907-1982)

 

ハンス・セリエはストレスを「外部環境からの刺激によって起こる歪みに対する非特異的反応」と定義しました。また、ストレッサーを「ストレスを引き起こす外部環境からの刺激」と定義しました。ストレッサーには生物的ストレッサー、心理的ストレッサー、環境的ストレッサーがあり、ストレッサーに対して、ホメオスタシスを維持しようとする脳の視床下部や副腎皮質などのホルモン分泌や自律神経系の神経伝達活動により起こる反応汎適応症候群(GAS : General Adaptation Syndromeと名付け、以下の3つの時期に分けました。

1,警告反応期:ストレスに耐えるための内部環境を急速に準備する緊急反応をする時期

  • ショック相:ストレッサーのショックを受けている時期であり、自律神経のバランスが崩れて、筋弛緩・血圧低下・体温低下・血液濃度の上昇・副腎皮質の縮小などの現象が見られ外部環境への適応ができていない状態と言える。このショック相は、数分〜1日程度持続する
  • 反ショック相:ストレス適応反応が本格的に発動される時期で、視床下部、下垂体、副腎皮質から分泌されるホルモンの働きにより、苦痛・不安・緊張の緩和、神経伝達活動の活性化、血圧・体温の上昇、筋緊張促進、血糖値の上昇・副腎皮質の肥大・胸腺リンパ節の萎縮といった現象が見られる。

 

2,抵抗期

 生体の自己防御機制としてのストレッサーへの適応反応が完成した時期で持続的なストレッサーとストレス耐性が拮抗している安定した時期である。

しかし、この状態を維持するためにはエネルギーが必要であり、エネルギーを消費しすぎて枯渇すると次の疲憊期に突入する。しかし、疲憊期に入る前にストレッサーが弱まるか消えれば、生体は元へ戻り健康を取り戻す。

 

3,疲弊期

 長期間にわたって継続するストレッサーに生体が対抗できなくなり、段階的にストレッサーに対する抵抗力(ストレス耐性)が衰えてくる。疲憊期の初期には、心拍・血圧・血糖値・体温が低下する。さらに疲弊状態が長期にわたって継続し、ストレッサーが弱まることがなければ、生体はさらに衰弱してくる

 

 

慢性疼痛、慢性疲労の方には疲弊期の方々が多いようです。

 

 

 

 


機能的病態(未病)

 

人は絶対的健康から死へ向かう存在です。そして、

 

1、絶対的健康

⇒2、機能性病態

(病気まで至らない身体の不調 未病)

⇒3、器質的病態(病気)

⇒4、致死的病態(死のまぎわの状態)

⇒5、

 

この順番で死に至ります。

 

2の機能性病態のことを未病を言います。

 

整形外科の症状での、未病と言える症状は、器質的原因の影響の小さい、肩こり、腰痛、一時的な神経痛、五十肩などです。

 

この症状の方々は、一時的な筋筋膜、関節包、神経、筋骨格系のバランスの異常が認められ、一時的には、各種注射(関節内注射、トリガーポイント注射、筋膜のハイドロリリース、腱鞘内注射、ブロック注射)、各種鎮痛剤各種徒手療法(世界中で行われている理学療法士のさまざまな手技)で改善します。

 

これらの症状を繰り返したり、症状が多くあったり、長く続いたりすることは、命が削られる状態であり、器質的疾患(高血圧、糖尿病、精神疾患、がん、心血管傷害、脳障害、免疫系の疾患など)の前触れであり、健康の危機と捉えます。

 

この時期に、単に、痛みや身体の機能を一時的に改善するだけでなく、命を救う医療、未病を治す医療を施します。

 

未病を治すには、自分自身の身体を壊していく、生きざまの関わりを吟味することが大切です。

 

生きざまには、自分自身の生活スタイル、取り巻く社会への適応の仕方、考え方のくせ、自身を支える世界観、人生観などが関わっています。

 

そして、全身系の機能的身体症状に対して、直接に身体療法である、栄養療法、適切なサプリメント投与、補法的な治療的自我を持った理学療法士による徒手療法、鍼灸マッサージ治療、アロマセラピー、リンパマッサージ、漢方薬投与、マインドフルネス、禅、温泉などを勧めます・

 

また、スタッフ全員の、患者さんを健康に導ける、会っただけで、良い感じを受ける、治療的自我が最も大切になります。


身体因性偽神経症


筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)


線維筋痛症(FMS)